『コクリコ坂から』の名言13選 少女よ、君は旗をあげる なぜ…
松崎海の名言 (声:長澤まさみ)
❶ おいしい……
学校帰りの俊が、買い物途中のメルを自転車に乗せ、坂下の肉屋まで連れて行った場面。
メルが肉を買っている間に俊は、コロッケを二個買い、一個は自分の口にほおばり、残りの一個をメルに「食えよ、家まで持たないんだ」と、口の中はモグモグ。
そして「じゃあな」と言い残し坂道を登って行く俊。
メルも、坂道を登りながらコロッケを食べ「おいしい」と。
メルの何気ない「おいしい」の一言だが、普段食べているコロッケとは違うんだよね、今回は。
特別なんだ。
俊のさりげない思いやりが詰まっているんだよね。
美味しそう。
❷ 大好きだからです
カルチェラタン(清涼荘)の建て替え反対を、徳丸理事長に直談判している場面。
メルは、理事長に「君はどうして清涼荘を残したいの?」と質問され、上記の返答を。
メルの素直な気持ちだよね。
社長室には「真善美」と書かれた額縁が、何気なく飾ってある。
人間の理想である真と善と美。
それぞれ学問・道徳・芸術の追求目標といえる三つの大きな価値概念。(大辞林より)
それから、カルチェラタンの玄関に入ってすぐ左の壁には、「志、雲より高く」の文字が印象的である。
実はスタジオジブリ第1スタジオの正面玄関にも、同じ言葉を刻んだ石碑があるんだよね。
ジブリの若いスタッフにと、スタジオ落成時に徳間書店の社長・徳間康快(トクマヤスヨシ)が送ったものなんだ。
また、社長が通(カヨ)った逗子開成中学校・高等学校のキャッチフレーズでもある。
そうなんだー。
ところで清涼荘は、別の場所に新しいクラブハウスを作ることに決定。
つまり、保存。
メルは本当に幸運の女神だよね、何かを持っている。
❸ 私が毎日毎日旗をあげて、お父さんを呼んでいたから、お父さんが自分の代わりに風間さんを贈ってくれたんだと思うことにしたの
メルが、自分の考えを俊に告発した瞬間。
そして、次からつぎへとメルは「血が繋がっていても、たとえ兄妹でもズーッと好き。私、風間さんが好き」と。
俊も「俺も、お前が好きだ」と。
複雑な二人の関係は、相思相愛の仲に。
メルの両親は、駆け落ちした仲だよね。
いやぁ、青春かー。
風間俊の名言 (声:岡田准一)
❶ 古くなったから壊すというなら、君たちの頭こそ打ち砕け
「カルチェラタンの存続を!全学討論会」での発言。
俊の発言は、まだまだ続く。
「古いものを壊すことは、過去の記憶を捨てることと同じじゃないか!?」
「人が生きて死んでいった記憶をないがしろにするということじゃないのか!?」
「新しいものばかりに飛びついて歴史を顧みない君たちに未来などあるか!!」
「少数者の意見を聞こうとしない君たちに民主主義を語る資格はない!!」と、矢継ぎばやに建て替え推進派へ主張を浴(ア)びせたのだ。
メル、ぼーぜん。
俊、カッコいい。
❷ 掃除か……でも、あいつら“ホコリも文化”だって言うからなぁ……
俊の「80%の生徒が建て替えに賛成じゃ、水沼も動きが取れない」に対しメルが「あのね、お掃除したらどうかしら?」と提案。
すると、俊が名言を。
さすがカルチェラタン編集長、仲間の気持ちが分かっているよね。
ゴホッ、ゴホッ。
❸ まるで安っぽいメロドラマだ
メルの「嫌いになったのならはっきりそう言って」に対し俊は、北斗の送別会の時に見たメルの父・澤村雄一郎が、写っていた写真と同じものを胸ポケットから出したのだ。
「澤村雄一郎。俺の本当の親父」と発言。
そして、メルの驚きを無視するかのように上記の言葉を。
二人は兄妹ということ?
いやいや、結末にドラマが……是非、映画を観てくださいね。
広小路幸子の名言 (声:柊瑠美)
❶ そのままで十分きれいよ
朝食時間に遅れた妹・空(ソラ)に対し、メルが「遅刻」と発言。
すると、空の「だって髪がまとまらないんだもの」と。
それを聞いた広小路は、そくざに名言を。
さすが美大生、美的感覚がバツグン。
思わず空は、にっこり。
美大生と言えば、広小路の「だめだ。夜描いたから色が出てない」の発言。
素人目には、ただタダ凄いの目が点状態。
しかし夜の照明の下では、微妙な色彩が出ないのか?
朝陽をあびた海面に、一隻の船が浮かぶ油絵。
船は「航海の安全を祈る」の信号機に対しての応答旗が上がっていた。
「少女よ、君は旗をあげる。なぜ…」
❷ 電器屋さんの子?
空が「一年の女子で風間さんのファンクラブを作ろうって言っているの」に対し広小路が「いい男なの?」と反応。
すると、すかさず空が「それがね、シビれるのよ」と発言。
返した言葉が、なんと上記。
洒落(シャレ)なのか、天然なのか本当に広小路は、おもろいキャラ。
ほかにも研修医・北斗の送別会に[オ・ト・コ・ド・モ」を呼ぼうよという話が出たとたん、広小路は目を丸くしながら「オトコ」と反応したよね。
まあ、年頃の女子大生だもんね、しょうがないか。
でも、究極は母・良子のお土産ビーフジャーキーに対し、真顔で「豚ですか」と、たずねる場面。
思わず同じ下宿人の牧村が「広ちゃんビーフは牛」とツッコミを入れている。
広小路はキョトンと不思議顔。
ほんとうにモゥー、ウシシィーだね。
おもろい。
例外は、メガネを外した時の素顔、ドキッとするほど美しい、油絵も。
北斗美樹の名言 (声:石田ゆり子)
❶ 風間君とうまくいくといいね
北斗が、引っ越しをする日の朝、メルへ送った言葉。
メルの幸せを願っている、北斗。
同じように、祖母の松崎花もメルのことが心配で、良い人が早く見つかって欲しいと願っている。
毎日、父のことを思い旗をあげているメルを見ると、不憫(フビン)でならないのだろう。
そして、北斗は一連(イチレン)の流れから、一目(ヒトメ)でメルが俊のことを好きだと分かったんだね。
女の勘か、それとも医者の眼力?
水沼史郎の名言 (声:風間俊介)
❶ 彼女は幸運の女神だぜ
メルのこと。
メルのおかげで北斗の知りあいが、ペンキや資材を差し入れしている。
カルチェラタンの外壁はピッカピカ。
そうそう、美味しそうなパンも差し入れされていたね。
徳丸理事長への直談判も、メルは大活躍するんだよね。
何かを持っている、メルは。
徳丸理事長の名言 (声:香川照之)
❶ ティオゲネスか……ハハハハハ!
カルチェラタンに出向いた徳丸理事長が、哲学研究所の部長に「君は新しい部屋は欲しくないのかね?」と質問したのに対し「失礼ながら閣下は樽に住んだ哲人をご存知でしょうか!?」と反対に質問を返したのだ。
すると「ティオゲネスか」と即答だったね。
ティオゲネスとは、古代ギリシャの哲学者。
「人は目の前にいる友人だけではなく、そうでない友人のことも忘れるべきではない」の名言がある。
「それにしても随分かわいらしい樽だな」と理事長は花柄のカーテンの中をチラリ。
あー、ダメダメー、住めば都。
❷ 諸君、このカルチェラタンの値打ちが今こそ判った。教育者たるもの文化を守らずして、何をかいわんやだ。私が責任を持って、別な場所にクラブハウスを建てよう!
理事長の決断は、きれいになったカルチェラタンの建物や部員たちの熱意は勿論だが、メルの友だち悠子の独唱から始まる歌に感動したようだ。
♪紺色のうねりがのみつくす日がきても
水平線に君は没するなかれ
われらは山岳の峰々となり
未来から吹く風に頭(コウベ)をあげよ
紺色のうねりがのみつくす日がきても
水平線に没するなかれー
まさに、カルチェラタンの生徒たちを代弁しているかのようだ。
それにしても、お掃除の言い出しっぺメルは、みんなから感謝されたね。
これほど、掃除、片付けが大事とは。
やったね!メル。
❸ エスケープか!青春だなぁ
別に、逃げ出した訳ではないんだ。
生徒会長・水沼の「閣下!あの二人に人生上の重大事が発生しました。二人は駆けつけねばなりません」に対しての返答。
俊とメルは戸籍上、兄妹なのだが、真実を知る人物が現れたのだ。
高等商船学校の同期で親友が。
はたして、俊の出生(シュッショウ)はいかに。
俊とメルは、希望に満ちた表情に……。
あとがき
徳丸理事長のモデルが、徳間書店の創業者・徳間康快だったとは驚き。
さらにスタジオジブリまで設立し、初代社長になっていたとは……。
宮崎駿監督は、感謝かんしゃでしょうね。
なぜなら、スタジオジブリ設立は『天空の城ラピュタ』制作のためというのである。
そして、鈴木俊夫プロデューサーに「金は銀行にいくらでもある」と、徳間社長は発言しているんだよね。
スゲェー。
こんな景気のいい話とは裏腹に、メルと俊は複雑な青春時代を送っている。
二人とも、父が戦争の犠牲者なのだ。
ちなみに、メルの父は1950年の朝鮮戦争時、アメリカの戦車揚陸艦(ヨウリクカン)船長をしている。
しかし、船が機雷に爆破され死亡。
日本は、サンフランシスコ講和条約で独立を回復したのが1951年9月だったため、アメリカの協力要請を拒否できなかったのだ。
俊の父は、引き揚げ船の事故で亡くなっている。
メルと俊の青春映画の背景には、二人の父の青春時代が戦争だったということ。
「少女よ、君は旗をあげる。なぜ…」
それでは、さよならサヨナラ




