映画

『千と千尋の神隠し』名言22選 バカな おしゃべりは やめとくれ 

二つの名前を持つ千尋
異世界での千と現実の世界での千尋。

千尋は異世界へ行くトンネルの前で、前後両面に顔を持つ不思議な石像に出会った。
なにやら、ローマ神話のヤヌスとだぶるのだが、同じ役割なのだろうか?
ヤヌスは家や都市の出入口にあり、門の守護神。
そして、門は始まりを示すことから、あらゆる事物の出発点の神である(ジャポニカ参照)。

さてさて、この先……。
10歳の少女・千尋は、両親と引っ越し先で道に迷い、八百万(ヤオヨロズ)の神が住む異世界へ足を踏み入れてしまったのだ。
美味しそうな匂いに誘われた両親は食の貪欲から豚にされ、一人になった千尋は、偶然出会った少年・ハクに助けられ「油屋」という湯屋(ユヤ)で働くことに。
最初は社会の秩序が分からず周りに迷惑をかけていた千尋だったが、誰にでも愛情を持って接する態度が徐々に認められ、みんなの人気者へと……。
最後は豚になった両親も助け、元の世界へ戻ったんだよね。

原作・脚本・監督:宮崎駿
音楽      :久石譲
主題歌     :木村弓「いつも何度でも」
公開日     :2001年7月20日
上映時間    :125分

それでは2002年ベルリン国際映画祭・金熊賞、2003年アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した『千と千尋の神隠し』の名言を見てみよう。

目次
  1. 千尋の名言 4選(声:柊瑠美)
  2. 釜爺(カマジイ)の名言 6選(声:菅原文太)
  3. リンの名言 1選(声:玉井夕海)
  4. 湯婆婆(ユバーバ)の名言 5選(声:夏木マリ)
  5. 河の神の名言 1選(声:はやし・こば)
  6. 銭婆(ゼニーバ)の名言 3選(夏木マリ)
  7. ハクの名言 2選(声:入野自由)
  8. あとがき

千尋の名言 4選(声:柊瑠美)

初めてもらった花束が お別れの花束なんて悲しい

引越しのときに千尋は、クラスメートの理沙から花束と一緒にメッセージカードも戴(イタダ)いてる。

ちひろ 元気でね また会おうね 理砂

このカードが千尋の運命を決めるとは、いざ知らず。

理砂に感謝だね

ちひろ ちひろって・・・私の名だわ

すっかり自分の名前を忘れていた千尋は、ハクが返してくれた服の中のメッセージカードで、我に返ったんだよね。
上記は、カードを見たときの言葉。

千尋は、湯婆婆(ユバーバ)に「」と名前を変えられたんだ。
そんな湯婆婆は、「相手の名をうばって支配するというんだいつもは千でいて本当の名はしっかり隠しておくんだよ」と。
そして、「名をうばわれると帰り道が分からなくなるんだよ」とハクがアドバイス。

理砂だけでなく、ハクにも感謝だね

私が欲しいものは あなたには絶対出せない

カオナシが「千は何が欲しいんだ 言ってごらん」に対しての返答。

カオナシは誰に対しても金や物をあげれば、思いどおりになると思っているのか。

千尋が欲しいのは物ではないんだよね

まだ分からんのか。

釜爺(カマジイ)が言うように「愛だ 愛

人に対する愛情だろうね

たとえば、ハクが千尋を千尋がハク助けたように、また千尋がススワタリを助け、ススワタリが千尋に好意的になったように、愛情なんだろうね。
ところが、カオナシは名前がなく自己主張は、他人の声(考え)と金で存在感を示しているよね
そして、名前がないから当然、家には帰れない

それを見抜いていたのが、銭婆(ゼニーバ)だよね。
お前はここにいな あたしの手助けをしておくれ」とカオナシに言ってる。
しかし、成長した千尋には「自分の名前を大事にね」と見送ることに。

すごい、銭婆に感動!

みんな ありがとう

千尋が油屋から現実の世界へ戻るときの言葉。

油屋に来たときの千尋は、礼儀作法も知らず誰からも煙たがれた存在だった。
ところが、働きだすと持ち前の頑張りと周りに対する愛情がしだいに認められ、誰からも好かれるようになったよね。

君たちはどう生きるか』のコペル君のうように、自分が成長することにより他人に影響を与え、よりよい人間関係を作る、ということだね。

まさに、千尋がそうだった。

だから、湯婆婆からの最後の難問を大当たりさせたときは、周りのみんなが大喜びだったんだ。

えらいぞ、チヒロ

釜爺(カマジイ)の名言 6選(声:菅原文太)

わしゃあ カマジイだ フロガマに こきつかわれとる ジジイだ

あの カマジイさんですか?あの ハクという人に言われてきました。ここで働かせて下さい」と千尋に言われての返答。

手が6本もあり、何かと大忙しのおじさん。

まだ、手が足りなそう。

ところで、千尋は就職できるだろうか。

ガッツだぜ、千尋

手ェ 出すなら しまいまでやれ

千尋は石炭の下敷きになったススワタリを良かれと助けたものの、ボイラーに石炭を投げ込む作業が終わっていなかったため、釜爺が、すかさず喝を入れた場面。

あいかわらず、釜爺は大忙し

グッドラック

千尋が釜爺に「ありがとうございました」と、お礼を言ったときの返答。

釜爺の優しさが伝わってくる、親指を立て「グッドラック」と。

千尋が油屋で働くには、湯バーバと契約を交わさなければならない難題があるのだ。

そこで釜爺は「これでどうだ イモリのクロヤキ 上物(ジョウモノ)だぞ」と姐御肌(アネゴハダ)のリンを千尋の世話役と教育係にお願いしたんだ。

OJTだね。

さっそく、リンは「あんたカマジイにお礼言ったの?世話になったんだろう」と姐御肌、爆発。

エンガチョ

竜(ハク)の口から吐き出された虫を、千尋が踏みつぶした場面での一言。

釜爺が「エンガチョ 千!エンガチョ」と叫ぶと千尋は両手でポーズを作り、「きった」と釜爺が手刀を振りおろすんだよね。

昭和時代の都会の子供達は、汚(ケガ)れから縁を切ろうと「エンガチョ」で遊んでいたらしい。

ネズミとススワタリの「エンガチョ」も最高(笑)。

あの魔女はコエェぞ

千尋が「お姉さんのいる所を教えて」釜爺に頼んだときの返答が、「ゼニーバのところへか?」と、少し困り顔をしながら上記の言葉を。

映画を観る限り、怖い場面はないけどねー。

釜爺は、個人的に何かあったのかな?

さあーて、何だろうね

わからんか 愛だ 愛

ハク きっと戻ってくるから死んじゃだめよ」と千尋が話しかけると、それを見た先輩のリンが「何がどうしたの?」とポカーン顔、そこで釜爺が一言。

さすが釜爺、だてに人生を費やしてないね。

あの魔女コエェぞ」ときも、人生を感じたけどね。

リンの名言 1選(声:玉井夕海)

あんたね ハイとか お世話になりますとか 言えないの !?

千尋が湯屋で最初にぶち当たった壁、礼儀作法。

10歳の千尋はまだ小学生で、多少の礼儀を欠いても許される年代。
しかし、社会人の一人として働くとなると話は別なのだ。
礼儀をわきまえて行動しないと、相手にされなくなる。
ましてや、神様を相手に働くのだから、なお大変である。

湯婆婆にも「ノックもしないのかい、まあ、みっともない娘が来たもんだ」と開口一番に言われてるよね。
しかし、ここからが千尋の頑張りなのだ。

ガッツ、ちひろ

湯婆婆(ユバーバ)の名言 5選(声:夏木マリ)

バカな おしゃべりは やめとくれ

千尋が「ここで働かせて下さい」とお願いしたときの返答。

さらに湯婆婆は「ここは人間が来る所じゃないんだ。八百万の神さまたちが、疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ」と。
しかし、千尋は何を言われようが「働かせて下さい」の連呼、ハクに言われたとおりに。

結果は……。
おめでとうございます、採用です

今から お前の名前は 千(セン)だ

千尋が湯婆婆に名前をうばわれた瞬間である。

本当の名前を忘れれると元の世界へ戻れなくなるんだ。
それで、友達からのメッセージカードが重要という訳なんだね。

カードを大事にね、セン

雨にまぎれて ロクでもないものが まぎれこんだかな

やはり、魔女は違う。
カオナシがまぎれこんだのを察知(サッチ)したのだ。

原因は、千尋なんだけどね。
千尋は雨の中、外で立ってたカオナシをお客と思いガラス戸を開けておいたんだよね。

さぁー大変、湯屋は滅茶苦茶、神が風呂でのんびりと、なんて言ってられない。

世の中、金や物を与えれば何とでもなると信じるカオナシは、手から「」を出すわだすわの大盤振る舞い。
それに群がる従業員たちは、正常の判断を失い、てんやわんや大騒ぎなのだ。

しかし、千尋は違った、他の従業員のように欲深さがなく、わきまえた行動なんだよね。

そんな千尋の行動は、カオナシや周りのみんなに変化をもたらしたのさぁ。

湯婆婆の強欲は、相変わらずだけどね

湯屋一同 心をそろえて ひけやー それッ!

オクサレ様に刺さっていたトゲ(自転車のハンドル)を抜くために、湯屋一同(イチドウ)がロープを引く場面(湯屋の従業員がワンチームになった瞬間)。

出るわでるわ、自転車を先頭にヘドロがドバッーとゴミ、ゴミ、ゴミの山。
そして、翁(オキナ)の面をした河の神まで飛び出たのだ。
やっかい者扱いされていたオクサレ様が、なんと河の神だったとは……。

ドヒェー

なんだい その汚(キタナ)いネズミは

銭婆に変身させられた坊ネズミが、母の湯婆婆に「チュウ」と親しみをこめた場面での一言。

坊ネズミは、上記の言葉にしょんぼりから怒り顔に変化。
しかし、坊も銭婆を母親と間違えたからね、同類かと思いきや千尋と出会ってからの坊は成長している。
しかし、湯婆婆は千尋が「あの…ごぞんじないですか?」と尋ねるや「知るわけないだろう、 おーいやだ」と。

欲深さが湯婆婆の判断をにぶらせたか

千尋、呆然。

千尋は大丈夫、豚になった両親

河の神の名言 1選(声:はやし・こば)

よきかなぁ

河の神が、千尋に発した言葉。

オクサレ様が、河の神だったとはねー。
それにしても、千尋の神対応が良かった。
オクサレ様をきれいに洗い流し、体から顔を出していた自転車のハンドルを抜き、そして最後の釣り糸を引っぱたことにより河の神が飛び出し、上記の言葉をおっしゃたんだよね。

よきおこない、ありがとう」と、千尋に言ったかのようだ。

そして、異物を吐き出す、にが団子のオマケ付き。

宮崎駿監督は、休日に川の掃除をしていたという。
環境破壊は、宮崎監督のテーマでもある「自然と人間の共存」に反する行為でもあるよね。

崖の上のポニョ』は、海の底がゴミ、ごみ、ごみだったたね。

ゴミは、指定された場所に捨てるべし!

銭婆(ゼニーバ)の名言 3選(夏木マリ)

一度あったことは忘れないものさ 思い出せないだけで

あるある、何かの拍子に突然、思い出すときが……。
例えば、歩いているときとか。

大丈夫さ、ハクと千尋なら

魔法で作ったんじゃ 何もならないからね

カオナシと坊ネズミそしてハエドリは、銭婆と一緒に千尋への感謝と無事を願いお守りを作ったんだ。
髪どめのお守りは、なんと糸を紡(ツム)ぐところから始めたんだよね。
そんな姿を見ていた銭婆が上記の言葉を。

千尋への愛情だね

ちひろ… いい名だね 自分の名前を大事にね

私の本当の名前は、千尋って言うんです」に対しての返答。

忘れないでね、家に帰れなくなるから
そして、「名は体(タイ)を表す」というように名づけ親の思いも大事にね。

ハクの名言 2選(声:入野自由)

まだ わかりませんか 大切なものが すり替(カ)わったのに

湯婆婆にとって大切な息子・坊は、おやじ頭が、金はただの土くれが、すり替わったのに何も感じない湯婆婆へ一言。

湯婆婆の強欲が、事実の見極めを狂わせたのだろうか

さぁ行きな 振り向かないで

ハクは千尋が現実の世界へ戻るとき、「決して振り向いちゃいけないよ トンネルを出るまではね」と教え、手を離しながら上記の言葉を。

歌人で映画監督でもあった寺山修司は、「ふりむくな ふりむくな うしろには未来がない」と名言を残しているが、現実の世界へ戻る千尋にピッタリ……。

ちひろ、グッドラック

あとがき

生あります」の看板、目立つよねビール好きには、モォー、リンダ困っちゃう。
しかし、よくよく見ると「めめ」や目を描いた看板があるではないか。
そして、道端には大きな目を持ったマグロらしき頭が招き猫のように飾ってあるのだ。

びっくり仰天、目が点だ、ちゅうの…… 煮付けあります

それにしても、神が傷や身体を癒すために銭湯に来ていたとはねぇ。
その、神の使いはカエルだったし。

驚くことばかり。

そして、千尋からは学ぶことがたくさんあったよね。
例えば、
1.他人に対し愛情を注ぐ(愛を求めるのではなく愛すること)
2.強欲は正常の判断を歪める(湯婆婆や両親) 
3.勤労の大切さ(社会勉強ができ、人間を成長させる)
4.自然と人間の共存(自然のない日常を想像してみて)

とにかく、色々と教えられる作品である。

それでは、さよならサヨナラ