おさげがトレードマークの海賊女船長・ドーラは、男勝りで息子3人の他、カ・キ・ク・ケ・コの男たちと老技師を従えている。
とにかく脇役にしておくには、存在感アリアリなのだ。
そんなドーラは、お宝があれば何処(ドコ)へでも行く、行こうとする野心家でもある。
少女シータが身につけている飛行石の存在を知ったドーラは、追いかける、おいかける、何処までも。
天空に浮かぶラピュタまで追いかけることに。
しかし、人間や大樹を浮かせるだけでなく不思議な力を持つ飛行石。
追いかけるのは、ドーラだけでなく大佐・ムスカや政府機関までも。
そして、一度はシータの元から去った少年・パズーも、シータを助けるためにラピュタへと……。
原作・脚本・監督 : 宮崎駿
公開日 : 1986年8月2日
上映時間 : 124分
それでは、冒険活劇・『天空の城ラピュタ』の名言を見てみよう。
少年パズーの名言 3選
❶ 安心した。どうやら人間みたいだ
「天使じゃないかって心配したんだ」と、いうパズー。
なぜなら、空から仰向(アオムケ)けにゆっくりと降りてきたからだ。
しかし、鳩に笑いながら餌をあげるシータの姿を見ると、人間そのものだったね。
パズーも、ひと安心。
❷ 僕の頭は親方のげんこつより固いんだ
パズーはシータの飛行石を借りて屋根から飛び降りてみたんだ。
すると、シータのように空中に浮かぶと思いきや、レンガを突き破り下層へ転落。
不思議なことは起きなかった。
その後、足を滑らせ、今度は頭からレンガに突っ込む始末。
その時の石頭宣言。
怪我ひとつしないところをみると、頭の固いのは本当らしい。
しかし、“頭を突っ込む”のは飛行石ではなくシータにして下さいね。
❸ 君が空から降ってきたとき、胸がドキドキしたんだ。きっとすてきなことがはじまったんだって
毎日、厳しい大人社会で過ごしていたパズーは、シータとの出会いに運命を感じたのだろうか。
共に両親のいない少年少女。
宮崎監督作品の主人公は、いつもハイレベル。
いろんな困難を克服し、成長していく。
少女シータの名言 3選
❶ パズーのカバンて魔法のかばんみたいね
パズーが、「ハイッ」と目玉焼きがのった食パンをシータに渡し、「あとリンゴが1個にアメ玉が2つ」とカバンの中から取り出しながら言ったときの返答。
お腹がペコペコのシータは大感激。
うれしさのあまり、思わず出た言葉。
二人は笑顔えがお。
❷ リテ・ラトバリタ・ウルス、アリアロス・ハル・ネトリール
“われを助けよ 光よ よみがえれ”という意味。
ラピュタ家に伝わる、困ったときのおまじないなんだ。
ムスカに監禁されていたシータは、昔、祖母に教わったおまじないを何気なく口ずさむと、なんと“聖なる光”が、彼女の飛行石から放たれているではないか。
そして、機能不全になっていたロボット兵がよみがえり、シータを助けにきたのだ。
そのロボット兵の破壊力は、ハンパじゃない、地球存続も危(アヤ)ぶまれる。
シータの飛行石は、人間を浮かせるだけじゃなかったのだ。
しかし、パズーが言うようにシータと出会えたのは飛行石のおかげなんだけどね。
❸ 土に根をおろし 風とともに生きよう 種とともに冬をこえ 鳥とともに春を歌おう
シータは、「ラピュタがなぜ亡(ホロ)びたのか私はよくわかる」と発言したあと、彼女が暮らしていたゴンドアの谷の歌である上記の名言を。
さらに「どんなに恐ろしい武器を持っても、沢山(タクサン)のかわいそうなロボットを操(アヤツ)っても、土から離れては生きられないのよ!」と、強い口調でムスカに言い放ったのだ。
あきらかに人間は自然との共存が必須と強調している。
宮崎駿監督の永遠のテーマではないか。
パズーとシータの名言 1選
❶ バルス
パズーとシータが一心同体になった場面。
すべてを「バルス」の言葉にかけたのだ。
ドーラが「亡びの言葉を使ったんだ。あの子たちはバカどもからラピュタを守ったんだよ」と言っているが、正解。
ラピュタは大樹からできていて、根をおおいかくしていた半円の人工物はバラバラになり海へ落下。
残ったのは、飛行石の力で天高く舞い上がった大樹をはじめ、渓谷で暮らしていたパズーとシータそして庭園で鳥やシマリスと戯(タワム)れていた人工物のロボット兵だ。
しかし、ラピュタ人の意のままに操られた破壊兵器のロボット兵は、すべてバラバラに。
やはりラピュタは、自然との共存が必須なのか。
女船長・ドーラの名言 7選
❶ それでもお前 男かい、えっ!
ムスカからシータを助けられず、ノコノコ帰ってきたパズー。
なんと、ドーラの海賊一家が、家を占領しているではないか。
そして、ドーラは言いたい放題。
それもそのはず、言うことが的確なのだ。
上記の名言は、パズーとのやり取りの中で両手でテーブルをひっぱたき、言い放った一場面。
威圧感アリアリで、パズーはタジタジ。
「やれやれ、娘を金で売ったのかい」、「その金で手をひけって言われたんだろうが」、「シータがそう言った?バーカ、お前を助けるために脅かされてやったに決まってるじゃないか」、「泣かせるじゃないか、男を助けるためのつれない仕草。あたしの若いころにそっくりだよ」などと次からつぎへと出るわ、でるわ。
宮崎駿監督の真骨頂、年配のお姉様が子供を教育する場面。
嫌味もきいているが、迫力満点のドーラ。
「カッチョイイ」
その後、パズーは自分の浅はかな行動が間違いと反省し、ドーラに仲間入り、シータを助けるために仕方ないんだ。
頑張れ、パズー。
「それにしても海賊の親分とは言え、食欲が凄すぎるんですけど」
これぞ、「食べる力」は「生きる力」か。
そしてそして、ドーラの息子は「ママッ」が口癖のマザコンだよね。
子離れしないドーラに代わり一言。
「それでもお前ら男かい!えっ」
❷ 40秒で支度しな
ドーラの海賊一家が、シータの飛行石をうばいに行くことになったため、パズーは、すかさず「仲間に入れてくれないか」と頼み込んだのだ。
すると、上記の言葉。
パズーは、ドーラにサンザン馬鹿にされたが、自分の非を認め真の男に変身したのだ。
最愛の鳩とも別れを告げ、40秒で戦闘モードに。
パズーが成長した瞬間である。
ファイト、パズー!
❸ 女は度胸だ お前たち援護しな
炎が燃え上がる塔の屋上へ、シータを助けるために向かった時の言葉。
男勝りのドーラは、息子たちを従えての突進。
ドーラとパズーは、苦戦しながらも危機一髪のタイミングで、シータを助けだしたのだ。
もう、ヒヤヒヤ、リンダ困っちゃう。
「女は愛嬌じゃなかったんですね」
❹ これはね 東洋の計算機だよ
ヨーロッパが舞台の映画に、日本のソロバンでパチパチと計算とは、渋いねぇ。
もしかすると、ドーラは東洋の魔女 !?
❺ 船長と言いな
ラピュタに向かうドーラにパズーが「おばさん、ぼくたちを船に乗せて下さい」とお願いした時の返答。
ドーラは、パズーとシータを部下として採用。
そして喜んだのがドーラの息子たち。
なぜかって「掃除洗濯、皿洗いをしなくてすむ、そしてイモの皮むきな」と大喜び。
本当は、シータにデレデレなのだ。
❻ 急に男になったねぇ
パズーは、シータを助けに行く前にドーラ親子を助けに行くなんて、先々の工程を考えているよね。
そして、後ろ手に縛られているドーラに「縄を切るから逃げて」と指図している。
すっかりドーラと対等関係。
そんなパズーに対し、ドーラがポロッと漏らした言葉。
パズーの成長、著しい!
❼ メソメソするんじゃないよ。もっとイイ船 作りゃいいんだ
パズーの「みんな無事だった?」の問いかけに「無事なもんか!わしのかわいいボロ船がトホホホ」と泣く老技師・モグラのじっちゃんに対しての助言。
ドーラは、最後まで真のリーダを発揮している。
カッコいい!
おさげが、ミョウに気にはなるけどね。
おかみの名言 2選
❶ いい子じゃないか守っておやり
パズーとシータが海賊に追われ、親方の家にかくまってもらった時の場面。
「ぼくも戦う!」とパズーが意気込んだ時に、おかみさんが諭すように名言を。
男の本能がめばえたか、素直にうなずくパズー。
『崖の上のポニョ』の時は、宗介がポニョに「ぼくがまもってあげるからね」と言っている。
まだ、子供なのにね。
❷ 誰がそのシャツ縫(ヌ)うんだ
海賊一家に追われていたパズーとシータは、職場の親方に助けを求めると、敵対同士が上半身の筋肉自慢を始めたのだ。
親方のシャツは「バリバリッ」と。
すかさず、おかみさんが放った言葉。
ガックリ、筋肉自慢より現実か。
鉱山列車・機関士の名言 1選
❶ パズー仕事さぼってデートか?
海賊に追われていたパズーとシータが、列車に飛び乗ると間髪(カンパツ)を入れずに上記の言葉が飛んできたのだ。
その後、機関士のおじさんはドーラ一家の海賊と分かると、逃げるにげる。
ところで、パズーって大人から妙(ミョウ)に愛されているような気がするよね。
結局、海賊一家まで仲間にするんだもんなあ〜。
パズーの言動には、うそやごまかしがなく真心がこもってる。
ポムじいさんの名言 1選
❶ ゆうべから石が妙に騒ぎおってな
石ばかり相手に暮らしてきたポムじいさんの疑問が、解決した瞬間である。
シータの飛行石を見てのこと。
「どおりで石が騒ぐわけだ」と発言。
地下の地面や天井のあちこちは、鉱石がキラキラと輝いている。
さらにポムじいさんは、「力のある石は人を幸せにもするが、不幸をまねくこともよくあることなんじゃ」と。
さらに追い討ちかけるかのごとく「ましてその石は人の手が作りだしたもの」と意味深な言葉を。
「人が作るものに完璧な物など無い」とでも言いたげ。
大佐・ムスカの名言 1選
❶ 3分間 待ってやる
パズーがシータを助けるために「シータと二人きりで話がしたい」とムスカに要求した時の返答。
まさか、3分間が命取りになるとは夢にも思わなかったはず。
パズーとシータが放った亡びの言葉「バルス」がムスカを破滅に追い込んだのだ。
油断大敵か!?
おかげでパズーとシータは助かったけどね。
あとがき
『三鷹の森ジブリ美術館』へ行こう。
屋上には、自然を愛しラピュタを守っていたロボット兵がいるよ。
今は、ジブリ美術館を守っているんだね。
もしや、屋上は“天空の城”ということ?
確かに、庭園になってる。
びっくりクリクリ目玉焼き『三鷹の森ジブリ美術館』は、ロボット兵を守り神にしたんだね。
「ねぇ、ママおしえて」
「そういうことは、自分で考えるんだッ」
トホホホッ。
それでは、さよならサヨナラ