本庄の名言1選 (声:西島秀俊)

俺たちは武器商人じゃない いい飛行機を作りたいだけだ

二郎も「そうだな」と、あいづち。
カプロー二も「飛行機は戦争の道具でも商売の手だてでもないのだ」と二郎に教えている。
そんな二郎と本庄は、戦争に関してはまったくの無頓着。
理想の飛行機を作りたいだけの設計家なのだ。
しかし、現実は諸刃の剣なんだよね

黒川の名言2選 (声:西村雅彦)

同期はライバルだ 組むと友情を失うぞ

艦上戦闘機の設計チーフに大抜擢(ダイバッテキ)された二郎が、「スタッフに本庄をもらえませんか」と言った時の返答。
しかし映画を見る限りの二郎は、設計のことにどっぷりと浸かり本庄とも良き仲と感じるが。

友情は、距離を置いてこそ得られるものなのか?

二郎も人間だったか

特高に追われている二郎は、「一度、下宿に帰らせてください。手紙が来るんです。婚約者の手紙です」と。
すると、仕事一筋の二郎が婚約したのかと驚いた上司の黒川が、上記を。
しかし、菜穂子の父は「男は仕事をしてこそのものだ」と言っていた。

さあーて、あなたはどっち?

黒川夫人の名言1選 (声:大竹しのぶ)

美しいところだけ 好きな人に見てもらったのね

二郎に対し、菜穂子の力強い覚悟が感じられる場面。
二郎のために病棟を抜け出し、飛行機が完成するまではと命を削ってまで尽くした菜穂子。
そして飛行機が完成した翌朝は、いつもと同じように二郎を見送っている。
そのあと、散歩に行くと黒川の奥さんに言い残し、実は結核病棟に向かっていたのだ。
そんな菜穂子に対し、女性ならではの一言が上記。

菜穂子の覚悟が、力強くもあり美しい、なのに悲しい……

カプローニの名言6選 (声:野村萬斎)

飛行機は美しい夢だ 設計家は夢に形を与えるのだ

二郎がカプローニに「近眼でも飛行機の設計はできますか?」と尋ねたのに対し「私は飛行機をつくる人間だ。設計家だ」と。
そして「飛行機は戦争の道具でも、商売の手だてでもないのだ
さらに、とどめの言葉が上記。

つまり、戦闘機ではなく旅客機をつくるのだ

まだ 風は吹いているかね 日本の少年よ

二郎は「はい、大風が吹いています」と。
では、生きねばならぬ」とカプローニ。
上記の言葉は、旅客機の試運転に失敗したあとに放った言葉。
その時の二郎は、震災の影響で大学構内が火の粉で、てんやわんや。

今のカプローニと二郎は困難の向かい風だが、夢に向かっている姿は追い風だね

設計で大切なのは センスだ

カプローニの引退飛行に同乗した二郎へのメッセージ。
そして「センスは時代を先駆(サキガ)ける。技術はその後についてくるんだ」と。
二郎の「美しい飛行機をつくりたいんだ」に通じるのでは。

美しい飛行機はセンスある設計があってのこと、だね

君は ピラミッドのある世界とピラミッドのない世界 どちらが好きかね

二郎は、直接ピラミッドがある世界が好きとは答えず、「僕は美しい飛行機をつくりたいと思っています」と遠まわしに返答。
そして二郎は、夢を追いかけ美しい零戦を作ったが、多くの犠牲者を生むことに。
ピラミッドのある世界が好きと発言しているカプローニは、飛行機が殺戮(サツリク)と破壊の道具になる宿命を背負っていると理解した上で、幸せを運ぶ旅客機をつくってしまった。

ピラミッドは上下関係で成り立っているが、幸せを運ぶ前進ならば、いいではないか、一人では限界がある。

創造的人生の持ち時間は10年だ

そして、「芸術家も設計家も同じだ」と引退宣言をしたカプローニが二郎に送った言葉。
創造の仕事は、今までなかったものを初めてつくり出すため、疲労困憊(コンパイ)が想像を絶するはず。
宮崎駿監督は、何度も引退宣言をしている。
今度は本当です」と、言いながらも復帰。
しかし先輩の高畑勲監督は、「映画監督に引退はない」と助言している。
ファンとしては複雑の心境だが、嬉しい限りである。

ヨッシャー

君の10年はどうだったかね 力を尽くしたかね

二郎とカプローニが夢の王国で再会。
そして上記の言葉を。
二郎は「はい、終わりはズタズタでしたが」と。
飛行機の設計に憧れ、ついに完成させたものの、結末は二郎の言葉どおり見るも無惨である。
さらにカプローニは戦闘機について的確に言い当てている。
征(ユ)きて帰りし者なし。飛行機は美しくも呪われた夢だ。大空はみな呑み込んでしまう」と。
紅の豚』でも戦闘機が天に舞い上がり「天の川」状態になった場面があった。
二郎も菜穂子も生き方こそ違うが、限られた時間内で美しさを求め儚く散ってしまった。
しかし、カプローニの夢・旅客機は違った。

乗客は、みんな楽しそうに笑っている……そして菜穂子も




あとがき

美しい映画だった。
健気な菜穂子、二郎の零戦そして重要な箇所で顔をだすSL(蒸気機関車)。
SLが自然豊かな平原や橋の上を規則正しく連なって走る光景は、美しく、力強くもありながら哀愁がただよう。
そして、哀愁と言えば主題歌の『ひこうき雲』は本作にピッタリ。
涙ぐんでしまう。
宮崎駿監督は、今まで自分の作品で泣いたことがなかったが、『風立ちぬ』を観て初めて泣いたという。
何か重なる部分があったんでしょうね
美しくもあり悲しい、そして力強い菜穂子……
シュシュポッポ、シュシュポッポ、ボォ〜、ボォ〜、ボォーー

それでは、さよならサヨナラ

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