堀越二郎の名言4選(声:庵野秀明)

僕は美しい飛行機を作りたい

カプローニの夢の王国から目覚めた二郎は、母に宣言をしている。
飛行機の設計家になります」と。
そして、上記の言葉を続けている。
その後は、どっぷりと大学も就職先も飛行機一筋である。

しかし、二郎も人の子、人生、山あり谷ありなんだよね……

これではだめだよ 僕の考えたのと同じだもの

二郎が同僚の本庄に、飛行機の取り付け金具について意見を聞かせてくれと言っている場面。
二郎が「どう思う」と尋ねると、本庄は「堅実な設計だな」と。
すると「これではだめだよ。僕の考えたのと同じだもの
すかさず本庄は、「そりゃまずいや」と。

まだ、取り付け金具も二郎も成長をしていないということか

風が立つ 生きようと試みなければならない

同じ汽車に乗り合わせた二郎と菜穂子は、風で飛ばされた二郎の帽子を隣の車両にいた菜穂子がキャッチ。
二郎は思わず「ナイスプレイ ありがとう」と、お礼を言っている。
すると菜穂子は、フランス語で「風が立つ」と言ったのだ。
すかさず二郎も、「生きようと試みなければならない」とフランス語で返答。
そして別れた二郎は、一人デッキで上記の言葉をくちずさんでいる。
さらに、本作のキャッチコピー「生きねば。」に関連してか、良寛の書『天上大風』が映画の中でさりげなく飾られているよね。
風立ちぬ』のプロダクションノートによると「地上に風が吹いていないように思えても天の上には大きな風(御仏の慈悲)が吹き、見守ってくれている」とある。

つまり、この風は楽を与える慈と苦を除く悲であることから、やはり「生きねば。」なんだね

僕らは今 一日一日をとても大切に生きているんだよ

医者の卵である二郎の妹・加代が、涙ながらに訴えた「山の病院に戻るのは無理なの?」に対しての返答。

菜穂子の死が目前まで近づいていると、二郎も菜穂子本人も感じている。
加代も上記の言葉で理解したんだね。
無言で悲しみをこらえていた。
昭和初期の時代では、難病だった結核。
いつ逝っても不思議でない菜穂子は、飛行機が完成するまではと、命を削ってまで二郎に尽くしていた。
二郎も一日でも早く完成させるために、家にまで仕事を持ち込んでいる。
菜穂子のためでもあった。

美しい!




里見菜穂子の名言6選(声:瀧本美織)

あなたは 少しもお変わりになっていませんね あの時のまま

地震の時に出会った二郎のこと。
当時、少女だった菜穂子とお手伝いさんのお絹は、二郎が王子様だった。
突然の大地震で誰もが逃げ惑うなか、二郎は「どうしました?」と困っている二人に声をかけていたのだ。
そして、骨折をしたお絹を助けている。
それから数年後、避暑地で再会した二郎は、見間違えるほど成長をした菜穂子に上記の言葉をかけられたんだ。

二郎が成長していないんではなく、あの時の優しいままだったんだよね

二郎さんは お絹と私の王子様だったの

地震で我先に逃げるのを横目に、お絹の骨折で身動きできない二人は、「どうしました?」と助け舟を出してくれた二郎が、白馬に乗った王子様に見えたという。

確かに、他人を気遣う優しさが表れている

生きているって 素敵ですね

二郎と雨上がりの虹を見た時の名言。

結核の菜穂子は虹を見て「生きているって 素敵ですね」と言っているが、虹だけでなく二郎に出会えたことなんだろうね。
山田洋次監督の『東京タクシー』でも同じような言いまわしがある。
タクシー運転手の浩二(木村拓哉)が、横浜ベイブリッジを渡りはじめた時、心臓疾患を抱える、すみれ(倍賞千恵子)との会話。
今、生きているからこの景色を見ることができるんです。死ななくて良かったんだ。すみれさんは
そうね、あなたにも会えたんだもんね」と。
この時の「あなたにも」は、若くして亡くなった息子が、浩二と重なったのでは。
常に死を感じながら生きている、菜穂子とすみれ……。
さりげない二人の言葉だが、意味深〜い。

美しい、本当に日本映画って美しい

ナイス キャッチ

二郎が3階にいる菜穂子へ、紙飛行機を飛ばした時のこと。
彼女は紙飛行機をつかんだものの、風で帽子を飛ばされたんだ。
二郎は藪の中までを追いかけ、キャッチ。
それを見た菜穂子は、思わず「ナイス キャッチ」と。
その後二郎は、菜穂子の帽子を頭に載せたんだよね。
これって『紅の豚』のポルコが、終盤の名残り惜しい場面で、流れてきたフィオの帽子を被ったよね。
ちなみに、「帽子はその人のシンボルであると共に、その人の代役を果たす」という(図説 世界シンボル事典)。
つまり、二郎は菜穂子を受け入れた、ということだよね。

ブラボー!

風が あなたを運んできてくれた時から

二郎が「僕はあなたを愛しています。帽子を受け止めてくれた時から」の発言に対し「私も」と上記の言葉を。
同乗した汽車で、風に飛ばされた二郎の帽子を菜穂子がキャッチした時のことだね

良きかな……

私 治りたいの 二郎さんと いっしょに生きたいの

菜穂子は父に「高原病院に参(マイ)ります」と言い、そして上記を。
今まで家で養生していたが、二郎のためにも生きたいと思う、健気な菜穂子。

美しい!

仕事をしている 二郎さんを見るのが一番好き

計算尺を片手に、設計図を描いている二郎を見ての言葉。
やはり男は仕事をしてこそのものか!?
菜穂子には、生きる励みになっているよね。

すばらしい!

あなた 生きて……生きて

夢の王国でずっと待ちつづけた菜穂子は、ようやく二郎に上記の言葉を言うことができた。
なのに、菜穂子はあっけなく空へ舞い上がってしまう。
誰にも受け止められることなく。
しかし、二郎だけは菜穂子の魂を受け取っていた。
美しい飛行機・零戦の無残な姿で憔悴(ショウスイ)しきっていた二郎は、菜穂子に会えて「ありがとう、ありがとう」と感謝している。

菜穂子は、敢(ア)えて言わなかった、別れを伝えにきたんだね
美しい!

1 2 3