日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞おめでとうございます。
米アカデミー賞視覚効果賞受賞おめでとうございます。
満を持して登場か。
山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」そして「ゴジラ-1.0/c」である。
生きて、抗えるか !?
それから、ゴジラの生みの親である本多猪四郎監督「ゴジラ」と「ゴジラ-1.0」の公開日が、同じ11月3日とは心憎い設定である。
そんな山崎監督は、1964年、長野県松本市で生まれ育ち、高校卒業後、阿佐ヶ谷美術専門学校へと進学。
その後、映像制作プロダクション株式会社白組に入社し、現在にいたる。
主な作品はというと、「ALWAYS三丁目の夕日」で、日本アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀脚本賞を受賞。
そして「永遠の0」でも最優秀監督賞を受賞している。
そして満を持しての本作は、1945年の終戦末期から戦後の日本が舞台である。
焦土と化した日本、特に東京は何もかも失い無(ゼロ)になった。
そんな所へ、更にゴジラが追いうちをかけるかのように上陸し、負(フ)へとたたき落としたのだ。
主人公の敷島(神木隆之介)は特攻隊員でありながら、なぜか死ぬことなく帰ってきた。
それもそのはず機体の不調と偽り、大戸島の守備隊基地に着陸したのだ。
整備兵の橘(青木崇高)は敷島に対し不信感を抱くが、他の整備兵の中には反対に同情する人さえも……。
そんなある日に現れたのだ、島の人が言うゴジラが。
とっさに橘は敷島にゼロ戦で攻撃するよう指示したが、コックピット(操縦室)に入った敷島は手が動かない。
部隊は橘と敷島以外、ゴジラに虫ケラのように扱われ死んでしまった。
ここでも敷島は死の恐怖から逃げてしまい、自分を追いつめてしまったのだ。
意気消沈(イキショウチン)の敷島は実家の東京に帰るが、見るも無惨な焼け野原だった。
近所の澄子(安藤サクラ)には「あんた達兵隊がふぬけなせいでこの有様だよ。あんたらさえしっかりしてればうちの子達も死なずにすんだんだ」と言われる始末。
そのうえ敷島は闇市で必死に逃げ惑う典子(浜辺美波)に、抱えていた赤子を渡されたのだ。
呆気(アッケ)にとられた敷島は……。
(C)2023 TOHO CO.,LTD.
「ゴジラ-1.0」は、ゴジラという娯楽作品で終わることなく、人間ドラマが加味されている。
最後は、観る人のほとんどが涙することだろう。
「生きる」ことの大切さをうったえている。
宮崎駿監督作品も同じようにアニメという娯楽の中に、ヒューマンドラマを描いている。
なので、大人が観ても面白い。
「風立ちぬ」も生きるをテーマにしていた。
主人公の二郎はゼロ戦を設計するが無惨な姿。
刺しちがえようのゼロ戦は、人間と共にバラバラに……帰ってこない。
しかし、敷島がゴジラと戦った「震電」という戦闘機は違った。
整備兵の橘がドイツ製の脱出装置を特別に搭載していたのだ。
敷島に生きろと願いをこめて。
また敷島は、典子にいきなり渡された、みなしごのアキコを見捨てることができず、結局、典子と三人で暮らすことに。
近所の澄子に援助を受けながら……みんな生きることに必死なのだ。
ゴジラとて例外ではない。
生きるのに必死なのだ。
深海で安穏と暮らしていた古代生物が、核の被爆国・日本で、ゴジラに変身してしまったのだ。
放射能がエネルギー源となったゴジラは、たびかさなる水爆実験の影響か半端じゃない勢いで巨大化している。
庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」も放射能をエネルギーとしているため、破壊力がすさまじい。
東京銀座街はゴジラの口や背中からの熱戦で、一瞬にして木っ端微塵へと変貌。
シン・ゴジラも生きるのに必死なのだ。
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またゴジラの再生能力も半端ではない、並はずれている。
チョットやソットの攻撃ではびくともしない。
これぞ本物の怪物なのか。
しかしゴジラも最後は……悲しいかな。
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ところでゴジラを生み出した本多猪四郎監督の「ゴジラ」では、古生物学者役の志村喬がこんなことを言っている。
「あのゴジラが最後の一匹とは思えない。もし、水爆実験が続けて行われるとしたら、あのゴジラの同類がまた、世界のどこかで現れてくるかもしれない」と。
「アッ」なにやら子孫らしき姿……。
続編の匂いが !?
ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ……。
それでは、さよならサヨナラ。