「宮沢賢治の故郷、岩手花巻と言えば花巻東高校出身で、現在メジャーリーガーの大谷翔平ですよね。
子供から大人まで知らない人がいないくらい人気ですからね。
人気の秘密は、ピッチャーとバッターの二刀流で実績を残しているのは勿論ですが、笑顔が素敵ですよね」
主人公のジョバンニは、家庭が貧しかったため、朝と放課後にアルバイトを。
授業中は眠く頭がボーッと。
そんなジョバンニは祭りの日の夕方、丘の上で眠ってしまい、銀河鉄道に乗っている夢をみていた。
それは天国行きで、乗車の中になんと友だちのカムパネラがいたのだ……。
ジョバンニは人前ではうまく話せず黙りこくってしまう内気なところがあるが、苦労をくろうと思わず、クラスのいじめっ子にチョッカイをされても気にせず、人に対して気遣いができ、何よりも家族思いの少年なのだ。
『風ニモマケズ』に出てくる最後の言葉「サウイウモノニ ワタシハナリタイ」という賢治の思いがジョバンニに、のりうったような気もする。
銀河鉄道からのながめは、現実世界の景色をおりまぜた夜の銀河だった。
夏の夜空に輝く十字形の白鳥座をはじめ「真っ赤な美しい火になって燃えて夜のやみを照らす」という蠍座、そして南十字星が……。
ほかの星たちもキラキラと。
なぜ、天の川に埋め込んだのか?
ジョバンニは友だちのカムパネルラが車内から突然姿を消したのに驚き、泣きじゃくり眼をさましてしまった。
ジョバンニとって悲しみは、まだまだ続く……。
カムパネルラは、船から落ちたクラスのザネリを助けたものの溺死してしまったのだ。
困っている人がいたら助けるのは当然の行動。
しかし、必要以上に責任感が強すぎて破滅することがないよう、専門家及び近くの人に助けを求めるのも大切。
カムパネラのお父さんは、息子が亡くなり悲しみが込み上げているはずなのに、息子の友達・ジョバンニを気遣い、さりげなく悲しみ以上の喜びを話している。
ジョバンニは、病気がちのお母さんに早く喜びを知らせなくてはと一目散に走った。
ジョバンニの瞳は、涙目からキラキラ輝く笑顔に変わったことだろう。
それでは、さよならサヨナラ。
追伸
名作で知られているロングセラーの『銀河鉄道の夜』
キラキラ輝く美しい星空だけでなく、意味深長な童話だと思います。