縄文というと、土偶を連想する人が多いのではないでしょうか。
特にメガネをかけている遮光器土偶では。
そんな縄文時代を著者こんだあきこが、いろんな学者をたずね解説しています。
図解漫画ですので分かりやすい、なのに中身が濃い。
縄文の入門書としては、うってつけです。
こんださんは、奈良県橿原にある観音寺本馬遺跡の土偶に、ひと目惚れしたそうです。
それ以来「土偶女子」として活動中とのこと。
著書も「知られざる縄文ライフ」や「土偶界へようこそ――縄文の美の宇宙」など多数あります。
ところで「『縄文』のヒミツ」ですが、縄文時代を土器の製作や使用した時期により、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の6期に分け解説しています。
最初の草創期は、最終氷河期も終わり、地球全体の気温が上昇しはじめます。
また、動物を追いかけ移動していた旧石器時代の遊動生活から、竪穴住居の定住生活が始まります。
定住することにより、土器が発明され、煮炊きができ、食生活や生活環境に大きな変化をもたらしました。
時代は進み中期になると自然環境が安定し、森からの木の実や植物が豊富で、生活も充実します。
そして大きな集落もでき、土器のデザインもバライティになり、国宝にもなった火焔型土器はこの時期に作られました。
そして最後の晩期には、あの遮光器土偶の出現です。
(c)東京国立博物館
ところが、中期の終わりごろから気温が下がりはじめ、晩期には寒冷化になり、集落は高台から低地へと移動する、はめになったのです。
また、九州北部では、大陸からの人々によって水田稲作が始まりました。
従来からの縄文人は、稲作を徐々に受け入れ、縄文時代の終わりをつげることとなり、弥生時代へと突入したのです。
実は、ここまでが前ぶれで、ここからは4人の学者をたずね、「『縄文』のヒミツ」を解(ト)き明かしていきます。
しかし、さわりは紹介しますが詳細は本を読んでくださいね。
貴重な話が、めじろおしです。
- 分子人類学者
人が持つDNAを追いかけ、人類がどう進化してきたかを研究 - 先史生態学者
先史 : 縄文時代のように文字がない時代のこと
生態学 : 人間や動物が何を食べて、どんなふうに生きていたのかを研究 - 植物考古学者
土器など遺跡の中から見つかる種実(シュジツ:木の実のことで、ナッツやクルミなど)を調査し、生活の中でどのように利用していたかを研究 - 考古学者
土の中から出てきた土器や土偶、そして石器など、さまざまな生活道具を調査し、当時の暮らしを研究
結局、現代の基礎は、縄文時代に出来上がっていたんですね。
衣・食・住は勿論のこと、生活に必要な道具や芸術的センスも。
狩猟生活で、移民生活だと思っていたのに
ところが竪穴住居に住み、縄文土器で煮炊きを行い、そして服は植物繊維を使って布を作っていたのです。
それでは、さよならサヨナラ。
追伸
縄紋めがねオシャレー。
是非、一読を。